NPO 法人BF N
会
報
ハイライト:
NHA の子供たちの学習の様子
( 2 ページに紹介)
支援者に送られる子供たちの成長記録
(3 ページに紹介)
子供達の夢・好きな科目(4 ページにグラフで表示)
発行日2009.12.10
第3 号
ネパールに与えられた「 機会と自由」
NPO 法人ブリッジズ・フォー・ネパール(BFN)
事務局: 〒 569-0811 大阪府高槻市東五百住町3 丁目1 番4 号( 鬼頭宅) Tel/Fax 072-695-0513
URL : http://www.npo-bfn.org
* 『 ジャイモシ』 ネパール語で「 主( 神) を讃美しましょう」 の意
目次:
ネパールに与えられた「 機1 会と自由」
N H A の教育及び学習活動2 とその成果
質問箱
3
ネパール豆知識
3
支援者状況
4
新規に支援される子供たち4
4
ヒマラヤをトレッキングしたときのことです。 人家の近くを通り過ぎると子供たちが群がってきます。 屈託のない笑顔で口々に叫んでいます。 「Give me sweet! 」 。 こちらも笑顔で通り過ぎようとすると、 彼らは、 諦めずにどこまでもついてきます。 あまりのしつこさに、 持っていたチョコレート菓子をリュックから出して、 彼らにあげました。 すると、 彼らは菓子を受取るやいなや、 「Thank you 」 の言葉もなしに、 去っていきました。 彼らの様子にしばらく呆然としました。
どの集落に行っても同じでした。 子供たちが近寄ってきて、 「Give me sweet! 」 としつこく、 本当にしつこく付きまといます。 ある集落では、 親と見られる女性が「 外国人が来たよ! 」 と言って子供たちに出動命令している姿を目撃しました。 日本では考えられない情景ですが、 同時に貧しさの中に懸命に生きるたくましさを感じました。
カトマンズ市内に帰り、 私たちをホテルまで運ぶ車の中から外の様子を見ました。 鳴り止むことのないクラクションの騒音の中、 交差点ではあちらこちらに様々な流れが隙間なく互いに入り乱れ、 その流れの中を車、 オートバイ、 自転車、 人、 牛があちこちに
進んでいきます。 そんな中、 ゴミ捨て場に真っ黒に汚れた子供たちがいました。 貧しさのゆえ、 ゴミを漁って生活の足しにしているのです。 心痛むほど懸命に生きている子供
たちの姿です。
小高い場所に位置したホテルの裏山を散歩しました。 山道にある、 小さな駄菓子屋風の店に立ち寄り「 チャイ」 を注文しました。 おいしい「 チャイ」 を作ってくれたのは、 小学生の男の子でした。 貧しさの中で学校にも行けず、 家の仕事を手伝っているのです。 彼もまた、 懸命に生きています。
200 8 年5 月、 ネパール制憲議会の決定によって、 2 40 年間続いていた王政は正式に終焉を迎えました。 王室と深く結びついていたヒンドゥー教は、 国教としての地位を失いました。 また、 社会の中に根強く残っているカースト制度も、 実質的廃止の方向に向かうことが期待され、 それは、 下級カーストを閉じ込めていた様々な社会的制限の緩和・撤廃に良い影響をもたらすことでしょう。 全国民に均等な「 機会と自由」 が与えられる大きな一歩が踏み出され、 子供たちにとっては、 将来の可能性に大きな広がりが与
えられました。
ある亡命者が言いました。 「 今まで考えたこともなかった機会と自由が与えられました。 しかし、 私にはそれらをどう使えばよいのか分からないの
です」 。 彼は、 独裁国家で、 体制の維持を目的とした洗脳教
育を受けてきた人でした。
どのような生き方をするのかは、 どのような目的に基づいた
教育を受けるのかにかかっています。 神が人に望む生き方
は、 神の栄光を表す最高の特権と光栄に満ちた人生です。 懸
命に生きるネパールの子供たちが、 それにふさわしい教育を
受け、 歴史上初めて与えられた「 機会と自由」 をこの最高の特
権と光栄のために大いに用いてくれることを願っています。
慶相龍
子供達の夢・好きな科目編集後記
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